エネルギーの伝達 - 免震・耐震・制震構造の観点から

多くのスポーツシーンにおいて地面からもらった力は身体の末端(もしくは道具)において発揮される。ではそこに至るまでの過程では何が起きているのか。

(頭の中のイメージをうまく言葉にできないため、大変読みづらいです。完全に個人的な備忘録ですが興味のある方は読んでみてください。)

以前プロ野球のコンディショニング関係者のS&C研究会という会の年次総会でプレゼンをさせてもらった時に話をした免震構造と耐震構造。



せっかく地面反力を得ているのにそれを免震構造のようにエネルギーをロスしてはいけないという話をしました。エネルギーをロスするということはエネルギー保存の法則から考えても失われた分はどこかでストレスとなり怪我になるという自論があるのですがいかがでしょうか。

特に脊柱というのは下肢の骨(大腿骨)が付く骨盤と接する仙骨より上を見ても腰椎5個、胸椎12は12個あり、すなわち鎖骨につながる胸椎の1番目までには17個の関節を経由していることになるわけですが、当然のことながら経由する関節は少ないほうがエネルギーロスの可能性は低くなるわけで、脊柱においてはこの点が難しいのですね。体幹の重要性はここに有り、細かなセグメントで構成された部分をいかに剛体化できるかが鍵となることが多い気がします。ちなみに免震構造は脊柱では脱臼状態と言えるかもしれません。当然エネルギーが伝わることはありません。




というわけで上の図で言うところの一番左、5階からなる建物が一つの剛体となっているのが耐震構造ですね。建物の構造としては地面のエネルギーにひたすら耐える建物になります。エネルギーは失われることなく最上階に伝わります。これが理想的な局面もあるかもしれません。

ただ、つい最近新聞の広告で“制震構造”というものを目にしました。不勉強なものでこれは広告を見るまで知らなかったのですが、なんとなくピンときました。私の頭の中にあるエネルギー伝達はこちらの方が近いのかなと。しかも詳しく見てみればゴムダンパーなるものがあるというではないですか。身体のsoft tissueの部分はゴムと似た部分があり、elasticityを持つ構造として近いのではないかと思いました。




もちろんエネルギーが失われることなく末端(投球で言えば指先)に伝わるのがベストなのですが、なかなか(特に体幹=脊柱部分では)そうはいきません。むしろ1階の人よりも最上階の人が揺れ(エネルギー)を多く感じてしまうのが耐震構造です。(もちろん1のエネルギーが5や10になると良い局面も多いですが) これを人体でやろうとするとなかなかの無理が生じるのではないでしょうか。
うまく言葉で表現できないのですが、制震構造のelasticityをうまく使って5のエネルギーを5のままで、もしくはちょっと減らして8~9割程度の4~4.5ほど伝わればいいのではないかと思います。

細かい話をすれば回旋運動で言えば腰椎は剛体である必要があり(=耐震構造)、胸椎は可動性が必要でありながらも弾力のある固さは必要(=制震構造)と言えるでしょう。つまりは動きの種類、行われるべき仕事によってもこの辺の理解は変わってくるものですね。

読みづらい文章ですみません。頭の中を整理するのはなかなか難しいです。いい練習になりました。

結局のところ、怪我無くエネルギー伝達が効率的に(時には非効率的に)行われることが重要なわけで、言葉なんてのはどうでもよく、言わんとしていることがうまく選手に伝わるような指導というか助言というか雑談が出来ればいいなと思います。

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