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『キレ』の正体

『キレ』を出したいんですけど。 ここで言うキレは動きのキレであるが、さて、『キレ』とは何でしょう? これに関して私自身を含めきちんと説明できる人はそうそういないのではないでしょうか。 最近そのことについて考えたときにそれなりにいい説明が出来たので、ここでは私なりの考えを備忘録として記したいと思います。 一言で言うと難しいのですが、そこは思い切って言い切ってみます。 『予測した、または自身が意図した動きやそれによって成される試技よりも、実際のそれが上を行く現象または感覚』 これは主観的にも客観的にも言えることで、主観的にはいつも通り動いたつもりが、いつもよりもうまく動けた、いい球がいった、遠くに飛べたというのがキレのある状態と言え、いつも通りやったつもりが、うまく動けなかった、いい球がいかなかった、遠くに飛べなかったというのがキレがない状態と言えるでしょう。 客観的には通常“その動き”から予測される対処にこちら側が追いつかなかった場合、もしくは単純に傍観者として競技者の試技が上をいった場合にキレがあると言えると思います。例えるとサッカーやバスケの一対一や、野球の投球に対する打撃でこういう現象は起きると思います。またはいつも見ている選手が明らかにいつもの動きと違った場合、数値や結果を見なくてもその良さが目に見えて分かる場合。 つまりキレは相対的なものであり、絶対的なものではないのではないでしょうか。その人自身でも第二者でも第三者でも、予測と実際の“ズレ”が大きければ大きいほどキレがあると言えると思います。 単純にスピードがあれば良いということが分かっていただけたでしょうか。 では、どうしたらキレを出せるのかという冒頭の疑問になるわけですけども。 まず無駄を省くこと。そしてあるべきタイミングで肢位、関節があるべきポジションにあり、あるべきタイミングで出力が上がり、かつ外的に作用する力のベクトルが正しい方向で発生し、、、、 と、ここまで書くとなにやら先日書いた 『ウエイトトレーニングをしっかりと考える』 に通ずるものがあるということが分かります。 要は、目指した動きがどれだけ忠実にその身体において実現されているかということになります。 つまり、キレを出したければ日ごろのトレーニングをファンクショナルなものにせよということです。

アハ体験を共有する

前回の投稿 『ウエイトトレーニングをしっかりと考える』 を踏まえた上での話になりますが、では指導者に求められるのは、とどのつまり正しい動作とは何ぞや?ということになります。 私が(元はと言えば私の師にあたる人物が)愛読している“わざの伝承”(金子明友著)にも記されていますが、動きというのは個人の固有体験であり、それをいかに【共有】出来るかがカギになると思うのです。前回の記事で挙げたような、タイミング、出力の加減、SSC、力の方向等々、これらが指導者と選手の間で共有されていなければ動きの洗練は出来ません。 それには絶対的に不可欠になるのが、指導者自身の実践と成功体験になります。個人的にはここの部分が欠けている指導者が非常に多いと思います。頭でっかちになりすぎて実践がされていないとなると当然のことながら選手と動きを共感することは出来ません。ましてや見本を見せることなど不可能でしょう。以前の投稿 『連続写真を用いた指導に潜むリスクとは?』 にも関係してきますが、いくら写真やビデオなどの第三者的視点を用いても、感覚の共有が出来なければフィードバックもその後の修正も出来ないことになってしまいます。 トレーニングにおいて選手に「アハ体験(a-ha! experience)」をさせるかは非常に大事です。トレーニングでこれが経験出来ると、実際の競技動作の中にもアハ体験は増えてくると思います。もちろん、トレーニングの方が単純動作ですからアハ体験、つまりは「あ、この感じね!」といった成功体験を感じてもらい、その成功体験の頻度、精度を上げていくのが動きの洗練のためのトレーニングになります。1セット10回であれば10回の中で何回成功出来るか、ずれていたらどれだけ次のrepで修正できるかところが焦点になります。 成功したらなぜ成功したか、失敗したらなぜ失敗したか、これを常々考える必要があります。一発一中を増やしていきます。そういう意味では例えばその日一回目の動作は非常に大事です。頭の中で今から行なう動きを成功体験に基づいて整理し、それを体現するということが求められます。 なんだか例に漏れずまとまらない投稿になってしまいましたが、要点としては ・動きの感覚を指導者自身が養う ・選手とそれを共有し、フィードバックする ・アハ体験(成功体験)を感じてもらう ・そ