エネルギーの噴出

久々の、そして2015年初めての投稿となります。
定期的にとは考えていますがなかなかそうできずにいます。

さて、今回はエネルギーの流れについて考えてみたいと思います。いつだか水道管の破裂で水が地上に噴き出しているのを見て思いつきました。エネルギーの流れというのはこの水の噴き出しでイメージできると思うのです。





これで大事なのは、エネルギーを「閉じ込める」ということ。
水道管の水もそうですが、行き所がなくなった水が(水は次から次へとやってくるので)上へと噴き出すわけです。運動のエネルギー(“運動エネルギー”でない点に注意)においても似たようなことが言えて、どこかで力を溜め込むことで開放するべきところへエネルギーが流れていくのだと思います。

簡単なところで言うと、スクワットで膝を動かし続けてはいけないというのはもちろん怪我のリスクや物理的な力発揮の効率から言っても悪いのですが、このエネルギーを閉じ込める部分においても大事です。膝が動き続けるスクワットというのは地面からもらうエネルギーが足関節に続く2番目の関節の時点ですでに失われてしまうことになります。
ここから、ランジにしても、ステップアップにしても、ひいてはスプリントの加速にしても同じ原理が当てはめられるのではないかと考えます(2次元)。これをさらに3次元にすると、野球のバッティングであったりピッチングであったり、テニスのストロークであったりサーブであったり、ゴルフのショットだったり、にも同じことが言えてきます。

指導現場においては“壁”と言われたりもしますが、壁とはつまりエネルギーを閉じ込めるための“条件”なのではないでしょうか。前述の水道管で言えば水道管のどこかに壁を作ると水が行き場を失い、それでも水は増え続け、隙のある上方へ移動し、マンホールを押し上げるといった感じになります。この壁というのは軸という言葉に置き換えられなくもないかもしれません。ただ厳密にはちょっと違うかなという気もするのでここではこの議論はおいておきます。

それで、もし一番下の水道管に壁または詰まりが出来ても、地上に出るまでのパイプに漏れがあると水の勢いは衰えてしまい、マンホールを押し上げるほどの力はでないかもしれません。これは体においても同様で、下半身でエネルギーを溜め込むことが出来ても、体幹でそれが失われてしまっては意味がありません。こういう側面では体幹は力を生み出す部分ではなく、いかに漏れなくエネルギーを伝えるかという部分になります。マンホールへ向かうパイプと一緒ですね。このあたりは以前書いた『エネルギーの伝達-免震・耐震・制震構造の観点から』にも通じてきます。

例に漏れず話がまとまらなくなってきましたが、エネルギーを閉じ込めること、溢れるまでエネルギーを増やし続けること(←ここでは詳しく触れてませんがこれが重要)、解放するまで漏らさないこと、そして開放する部分を限定すること、このあたりに注目してトレーニングを再考してみてください。

地面からエネルギーをもらい続け、閉じ込め、末端へと噴出させましょう。


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