運動を訓練するということ
私が体力トレーニングを行う際の観点というか目的。 『適切なタイミングで、適切な方向に、適切な力を出す』 シンプルにこれだけです。 どのスポーツのどの場面でも、身体動作を伴う場合にはこれがすべてだと(現段階では)考えています。関節角度が、、、とか、体幹が、、、とかは、あくまでも前述の目的を達成するための手段(条件)です。そこばかりを気にして、手段ありきにならないように気を付けています。尚、ここで言う“力(=チカラ)”とは、筋力でも、筋出力でもなく、単純に何かに作用するためのチカラです。ドイツ語のkraftの意味合いがこれにあたるでしょうか。 ウエイトトレーニングのようなシンプルな動きでも、技術トレーニングのような複雑な動きでも、「適切なタイミングで、適切な方向に、適切な力を出す」ということを追い求めます。個人的にはウエイトトレーニングもそのためのトレーニング手段だという認識で処方していますが、特に最初の2つ(タイミングと方向)が大事です。力をつけていくのはそんなに難しくはないので、まずはその2つにフォーカスするべきでしょう。逆に言えばその2つが未熟であれば、力を増していくトレーニングは避けるべきです。 タイミング、方向、力、この3つを成し遂げる手段として先に述べたように関節角度とか、予備緊張(張力)とか、はたまた動作の先取りとか、うまくいったときの感覚とか、そういったことを取り揃えていく(条件を整えていく)ことがトレーニングであり、それらを統合(呼応)する能力がコオーディネーション能力と言われるものになろうかと思います。そしてそれを養うことが、タイトルにある通り“運動を訓練するということ”だと私は考えます。 動作ありきの動作、動作ありきのトレーニングにだけはならないよう、気をつけたいものです。自戒の念と、指導者、選手への喚起として。