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最短距離で答えを急ぐなかれ

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タイトルはスポーツに限ったことではないが、ことスポーツにおいても特に感じることが多い昨今です。 ①     低年齢での勝利至上主義 早期専門特化による低年齢での勝利至上主義は相変わらず加速している気がします。 10,000 時間の法則というものが謳われて、極力早期に 10,000 時間を消化しようとしているかのように見えます。加えて、人間である選手をあたかもロボットであるかのようにプログラミングしている様を見ているととても不憫に思えてきます。低年齢のうちは教え込みで結果が出るとは思いますが、長期的に考えれば逆効果を生むことになるかと思います。むしろ自分で自分自身を成長させることができなくなり、伸び悩むことになります。 ②     データ至上主義 今のスポーツ界では何もかもがデータ、データと数値化を進めていますが、必ずしもそれがスポーツの発展に寄与しているとは思えません。自分や相手の動作やパフォーマンスが客観的に示されて参考になる部分もあるとは思いますが、それによって失われるものもあります。例えば感覚や予測、コツやカンが挙げられます。今のスポーツ界ではあたかも正解があって、それに自分のパフォーマンスを寄せていく、またはコンピュータが示す通りに行動するようになってしまっていて、人類の主体的な感覚によって勝負する元来のスポーツとは距離を置いてしまっている気がしてなりません。 ③     YouTube やその他ネット情報 これらは自分の実力を向上させるためのツールとして有効にはなりえると思いますが、試行錯誤の繰り返しが失われてしまっています。練習は不可能を可能にするというプロセスは、②とも重なりますが、ある正解に寄せていく行為ではなく、トライ & エラーの繰り返しによりパフォーマンスを洗練させていくことであり、本来はそのプロセスがスポーツにおける自らの成長と言えるのではないかと思うのです。 イチロー選手が引退会見で発言したこととも重なりますが、頭を使わなくなった勝負は面白みに欠けてきます。私はあくまでもスポーツは遊びの延長線上にあると思っていて、やはり頭や感覚の勝負を楽しみたいなと思っています。当然時間がかかることにはなるのですが、スポーツはロボットでもコンピュータに支配された人間でもなく生身の人間がやるものですから当然です。何もかも時短、効率